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さんも入るなと思うわけですね。
しかし、そればかりでいいのかというと、やはり文化性、芸術的には何も進歩しないわけですね。せっかく文化ホールができるのに、何も進歩しないような状況で推移していく。たまには質の高い音楽なり、いろいろなものを聞いてもらう、一緒になって参加していただくということが大事だろうと思うんですね。札幌市立さんだとか、都会にはいろいろな人がいますから、1000人、2000人簡単に入るでしょうけれども、小さな村では、例えばそのことで500人、600人入れるといったら大変ゆるくない仕事ですよね。そういう意味で、僕らも住民に新しいものに触れていただく機会を、文化ホールを通してやっていきたいと思うんですけれども、やはりどうしても頭にくるのは、観客動員が得られるのか。演歌なら入るんだけれども、それ以外のことで本当に入るんだろうかと物すごく心配しますよね。そういうことで、我々小さい自治体のホールを抱える人間としては、そういうところが大変ネックとして、いわゆるリスクをしょうものですから、なかなかそういう企画をできるのかという不安が今ありまして、そこら辺、いろんな町村さんの、こんなことで住民をこういうふうに変えさせたよとか、いろいろな事例があれば、お聞かせいただければ幸いだなと思ったんですが、よろしくお願いしたいと思います。

 

○草刈 
今のご質間に対して、どなたか事例としてございますか。
一番難しい問題ですよね。それが簡単にできれば、こんなにいいことはないんだけれども、確かに非常に難しい問題だと思いますが……。

 

○田中 
鵡川町から来ました田中と言います。実は私も今回の研修、アートマネージメントの研修とは一体どんなものか、私なりに考えてきて参加したつもりなんですけれども、今ここに来てやっとわかったかなと思います。
今、中札内さんからのご質問があったとおり、私のところも実は来年、四季の館という文化ホールを兼ね備えた大きい建物ができて、その中で、たまたまその施設の活用、ホールの活用ということで、教育長の方針の中で、文化事業協会みたいなものを、いわゆる自主企画運営をやっていく団体を町民の中でつくっていきなさいと。僕もかねがねこういうのは欲しいなと思っていましたし、今までやってきた積み重ねで、1人、2人とそういうことの好きな人たちを集めてはきているんですけれども、中札内さんが言ったように、小さい町ですから、本当に子供たち、あるいは全然聞いていない食わず嫌いの人も中にはいるんでしょうけれども、実際にそこに連れていくと、ああ、クラシックっていいものだな

 

 

 

 

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